訪日外国人客(インバウンド)の受け入れ手続きが10日、約2年ぶりに再開された。当面は政府が新型コロナウイルスの感染リスクが低いと判断した国・地域からの添乗員付きツアー客に限られる。実際に来日が始まる6月下旬以降に向けて、受け入れ準備を進める観光地の期待は高まるが、日本の感染対策に理解を得られるか心配する声もある。
東京・浅草の仲見世通りは10日の日中、和服姿の女性や修学旅行の中学生らでにぎわっていた。仲見世商店街振興組合では全88店に、マスク着用や手洗いなどを呼びかける英文のポスターを配布。受け入れに向けて準備を進める。金子弘之理事長は「これがコロナ禍の『終わりの始まり』であってほしい」と期待した。
江戸時代から仲見世に店を構える「江戸趣味小玩具 助六」の木村可奈江さん(51)は「コロナ禍で売り上げがゼロだった日もあった」とこの間を振り返る。 インバウンドの増加に期待を寄せつつ、感染対策への心配も。親指サイズの人形などを販売するが、手に取って品定めする人も少なくないという。政府は、混み合った施設などでのマスク着用をうたう旅行会社向けの指針をつくっている。「マスクをしてください、触らないでくださいと、一人ひとり声をかけたい」
伊勢志摩観光の中心地、伊勢神宮(三重県伊勢市)周辺でも、参拝者増への期待が高まる。
市によると、今年5月までの参拝者数は前年同期比約1・7倍の267万6452人。回復基調にあるが、外国人とされる参拝者数はわずか0・16%の4230人にとどまる。
海外からの旅行客が増えることで国内の感染状況は悪化しないのか。記事の後半では、感染症に詳しい専門家に見立てを聞きました。
内宮前の観光施設「おかげ横…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル